「放っておくと怖いタイルの浮き」でお伝えしました通り、タイルに浮きが発生しているのは、とても危険な状態です。では、安全な状態にするために、どのように修繕を行うのでしょうか?今回は、図解とともに修繕工程を詳細にご説明します。
①施工範囲の特定
打診棒で調査を行い、浮きが発生しているところを特定します。
※打診棒による調査の模様
タイルの浮きが発生しているところは、下図のように空洞部分ができており、そのため打診棒でタイルを叩くと、虚ろな音がします。
②樹脂注入の為の穴開け
浮いている部分が特定できたら、接着剤の役割をする樹脂を注入するための穴を開けます。
穴は、タイル目地に開けるのが一般的です。
タイルがモルタルごと剝がれないよう補強する為に、躯体に達するまで目地の部分に穴を開けます。
③接着の為の樹脂を注入
穴が開いたら、穴を清掃して接着剤となるエポキシ樹脂を注入します。この際、樹脂が隅々まで行きわたるように、圧力をかけて注入します。
④補強の為の金属ピンの挿入
エポキシ樹脂が行きわたったら、躯体とモルタルをつなぐ金属ピンを挿入します。このピンを入れることによって、より強固に補強される訳です。
⑤シール材による穴塞ぎ
最後に注入口をシール材で塞ぎます。これで、タイル補強は完了です。
こちらに施工の模様を撮影したムービーがあります。これまでの図解を頭に入れて見ていただけると、より内容がご理解いただけると思います。ぜひ当記事と併せてご覧ください。
※今回ご紹介した補修方法はあくまでも一例で、劣化の進行具合によってはタイルを一旦除去して貼り直しが必要な場合もあります。